ジョーのガレージ

やっとメンバーが揃ってスタートを切ったティラノザウルスなのだが、問題が膨れ上がっていた。
まあ「やろう!」って言い出したのが2010年の5月で、メンバーが揃ってスタジオ入りが2012年の3月って事で当初とは状況が大きく変わっていた。

マティの仕事が変わりリハの時間が殆ど合わせられない、他人のフンドシもない、機材車、スタッフ、その他全部白紙状態。「う〜〜ん。これじゃ一からバンド立ち上げるのと一緒じゃん!」と泣きたくなる。
が、山川と「Led Zeppelin格好良いね〜 Rolling Stones凄いね〜」と中学生並の会話をしてるとやっぱりバンドは楽しいと思えた。山川がコードを弾き右肘が軽く上がり、左手で握ったネックが少し下がってリズムで止まる。展開に向かって歌う様にケンヤがフィルを叩く、他人から見ればどうでも良い事なんだが、それだけでそれだけで最高だと感じる。


フランク・ザッパの「ジョーのガレージ」が好きだ。外盤しか持ってないので正確な歌詞の意味は判らないけど、音楽が規制された世界で、とことん酷い目に遭い、最後にはイマジネイションの中でギターソロを弾いてみる。「ただそれがしたかっただけ」とジョーは言う。そのメロディーを聞くリスナーはジョーのイメージの中に居る。と、良く分からない説明で申し訳ないが、私もそんなライブがやりたい。

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Beginnings

久々のリハーサル、山川のギターにブランクは全く感じなかった。が、真冬でそれほど暖房の効かない御苑スタジオで山川は汗びっしょり。

リハーサルについて色々思い出した。中学生の時に、楽器屋の2階の小さなスタジオに入った時に自分の下手さにビックリした。当時はベースだったんだけど、次の日にギタリストの家に呼ばれて、同い年の人間に怒られて、恥ずかしくて情けなかった。が、次のリハでドラマーも下手なので、殆どオカズを入れられず、顔を見ながらリズムを合わせれば、何となく演奏になって楽しかった事。まあ、その頃は楽器持って歩いてるだけで楽しかったけど。

それから、年上の上手い人とバンドを始めアクセントやらリフのタイミングの合わせ方を教えてもらって、曲に表情が付いたように感じて、プレーヤー気分を味わえて楽しかった事。まあ、この辺まではリハーサルってより練習って感じかな? で、ベースを辞めて、ボーカルだけでオリジナルを作り始めた頃、まあ、この頃は作り始めたのではなく、良き先輩方に訓練されてた感じか。

で、ティラノザウルス結成当時、訓練されたおかげか、一応全パートのガイド程度は作れて、それをみんなで曲にしていく訳なんだが、一番飲み込みの早いギタリストのノリが、新曲の度に汗だくになってギターを弾いていた。本人曰く「ロックする為」だそうで、出来の悪い曲でも真剣に取り組んでくれ、何回か演奏するうちに、殆ど私のフレーズでありながら「ノリの体から出てきたもの」の様に聞こえて来た。
その後、色々なギタリストが私の作った曲をプレーするのだが、そつなくこなすタイプ、自分流に変えるタイプと様々で、それはそれで全然良いと思っていた。

山川に「そんなに拘らず、好きな感じで良いよ~」と言うと「なんかこれじゃないとティラノザウルスじゃなくなると思うので・・・・」まあ、今更だが、ティラノザウルスを実際に何度も見て、対バンも何度もして、音楽の指向が近い人間に、自分の作った音楽を大切に扱ってもらう事が、どれほど尊い事で、ありがたい事なのか実感し、感謝した。

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Good Night

強盗に入られた部屋に住み続けるのは嫌なんで、事件後、直ぐに部屋探しをしてたのだが、なかなか見つからず「これだ!」って思った所は断られ、色々な人が不動産屋を紹介してくれてたり、力になってくれたのだが、20年以上住んでるので引っ越し自体が気分が重い。

山川が家やって来た。Waiting On A Friendに書いたように、バンドに誘ったのだが断られた。が、気分が大きく変わった。再会出来た事に感謝し「引っ越せなくて良かった」って思えた。
次の日からもう一度泳ぎ始める。まあビックリする程体が衰えているのを痛感。馬鹿みたいだが、ライブが近くなると雑務に奔走するのは目に見えていているので、今準備出来る事をするしかなかった。

「やっぱり山川のギターで歌いたい」と強く思った。何度かその機会はあったが、上手く行かなかった。しかし、ギタリストを捜す傷心のおっさんの部屋を訪ねる山川が悪いのである。「これは運命なんだ!」と私は勝手に思い猛烈にアタックを開始。山川はひたすら拒否するのだが、最終的にケンヤとマティとスタッフで取り囲み「うん」と言わす。もうこっちのもだ!色々な都合でスタジオに入るのは先になるが、久々に興奮した。
興奮すると眠れないかと思いきや、熟睡するようになる。ってか今まで下らない事考えて眠れてなかったんだと感じた。


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いい事ばかりはありゃしない

証拠品がやっと返却されるが、現金以外は警察で処分してもらう。一応バンドマンなので「警察は権力の手先的な」感覚は持っていた方が格好良いと思ったりするのだが、警察での勤務が長かったのと今回の件で、刑事さん達と一仕事終えたような感じがした。

不摂生が続いたせいか体調が悪化、色々と出費もかさみ気分は落ち込む。「たいした事じゃないさ」と思っていたが「ひょっとしてこれがPTSDなのか?」と不安になり、初めての健康診断をしてみる。検尿と血液検査とレントゲンで、結果は肥満。
一応健康なのでライブに向けて色々と動こうと思うのだが、結局ギタリスト候補すらなく、リズム練習もマティの仕事が夜に変わり殆ど日程が合わせられない。なんの希望も持てぬままだらしない生活がつづいてしまう。

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12人の怒れる男とスキマ男

午後から見学。別に見たくもないのだが、事実を知っている人間や被害関係者が見てないと、犯人がデタラメな証言をする事が多いのでと、検事さんに頼まれ、犯人の視界に入る位置の席に座らされる。
殺意に付いての質問が続く訳で「自分の事なんだな~」と思うと変な気分だ。裁判員1人一質問が義務なのか?ほぼ同じ内容の質問。ここまではみんな真剣に取り組んでいるように見えた。

検察から犯人の前科についての説明があり、窃盗~刑務所~強盗~刑務所~傷害~刑務所~強盗~刑務所の繰り返しで、私の前の事件が、金を奪う為に女性の顔をカッターで指し、老人の顔面をなぐり骨折させるといったエグイもので、裁判員は完全にうなだれる。

で、~部分が生活保護を受けていて、丁度話題に成りかけていたせいか、ここから裁判員の質問殆どが生活保護の事で「何の裁判?」って感じになってしまう。

Sukima検察の言うように犯人はデタラメな証言を始める。それが「ちゃんとした嘘」なら判るが、支離滅裂で「ごっつええ感じ」の「スキマ男」のようで第三者なら笑ってしまうと思った。「これでは裁判に成らないな~」って感じになると、裁判官が子共に話すように、一つ一つ説明して、結論付けして進めて行く。

話術というか声色というか「裁判官は凄いな~素人相手のテレビの司会とか出来そうだな〜」と感心していると予定時間で裁判終了。
その後、検察と警察から判決の連絡があり、あっさり有罪になったとの事。

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12人の怒れる男たち

やっと裁判・・・・もう秋だ。
テレビドラマで見るより天井が高い、裁判員制度なので壇上?にずらりと人が並んでいる感じ。で、犯人がわりと近い位置にいて、腹が立つし、恐怖が蘇る。しかし、これが女性とか子供だったら嫌だろな・・・・・

証言台に立ち宣誓をするのだが、当日いきなり宣誓の原稿を渡されるので「読み間違いがあったらどうしよう?」と緊張するが、ライブの感覚ではっきりした口調で宣言をすると見学者から「お~」と声があがる。後で検事さんに聞いたら、みんな「もごもご」下を向いて読むだけらしい。

12裁判員制度って事で、みなさん活発に質問をしてくるのだが、人様の罪を決める訳なので、犯人側にたった感じの質問が多い。「殺すぞ!」と言ったのは本当か?とか、動揺してたのに何故そこだけ覚えているのか?まあ「こっちは被害者だ!」と叫びたくなるが、身振り手振りで説明を続ける。
実際のところ、数分の非常識な出来事を言葉だけで説明するのは難しい事で、証言台に立っている私自身の印象がすごぶる悪いというってのも不利だと思う。

いまさらなんだが、現場検証の写真とか私と刑事さんが犯人役で撮るのだが、刑事さんがいかにも「体育会系」でかなりデカく(←かけてる訳じゃない)私が取り押さえるってのに無理があり、説明しながら撮るのでカメラ目線の不自然な感じの写真もあったりする。
調書も時間軸を基準に書くので、文章としては読みにくい物にで、読み馴れていない人にはかなりのイマジネイションが必要な気がする。

証言が終わり「なんか理不尽だな~」と思いつつ、せっかく裁判所に来たので色々見学して食堂で昼食。

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気分転換は2軍観戦

Takahasi_2次の日から落ち着きを取り戻して平和な日常が帰って来た。ってのは嘘で、検察から裁判に出て欲しいと頼まれる。自供もしてるって聞いていたので安心していたのだが、犯人は相当の前科があって裁判の度に証言を覆しているとのこと。しかたなくOKすると違う検事さんに、また一から事情聴取。立件する検事さんと裁判をする検事さんは違うらしい。裁判は何時になるのだろう?あとどれ位こんな事がつづくのだろう?判らない事だらけだ。

引っ掻き回された部屋を掃除し整理し色々処分したが心は落ち着かないものだ。下らない事だがケーブルテレビとの契約をマンションが切る事にしたので、ネットの契約、テレビの契約とか手続きにうんざりする。

多少飲んだところで気分転換にはならなかったので、名古屋球場で2軍観戦。「あ~この子達が球界を代表する選手になって・・・」とか妄想しながら灼熱の太陽に焼かれる。
酒も煙草も量が増え、体力もがっくり落ちるのを感じるが、なかなか前向きになれないでいた。

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検察

次の日から私はいつもと同じように元気に過した。ってのは嘘で、事情聴取と現場検証が繰り返される。結局のところ密室の中の出来事なので、強い弁護士が出てきて被害者の狂言だとかやられると、軽い罪ですぐに出て来くるか、下手すれば無罪らしいのだ。それで証拠を徹底的に調べる為に部屋中を真っ黒にしたって訳だ。

Kensatu_2
次は検察で、証言の中に警察用語があったとかで、事情聴取のやり直し。「ん〜〜?」そこだけ直してくれれば良いのにとか思うのだが「警察によって引き出された証言」とされる可能性があるらしく、また同じ話をする訳で、何が警察用語だったかも教えてくれないので永遠に同じ話の繰り返し。

まあ警察は家に来てくれたり、仕事終わりで寄ればよいとか、急ぎの時は仕事先にまで来てくれるので負担は少ないのだが、検察は日程も指定してくるし、あげくの果てにドタキャン「ヒーロー」の木村拓哉みたいのが証拠集めで旅にでも出たのか?と思いつつ、警察が如何に込み合っているかを知っているので、検察も同じなんだろうと諦める。立件までの2週間疲れ果てる。

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米沢守ではなく・・・・

若い巡査さんが自転車で目の前までやって来たので助けてくれるのか?と思ったら無線を取りだし問い合わせをしている。すると家の前の狭い道を結構なスピードで警察車両が突っ込んで来て、刑事さん達が「確保!確保!」と叫びながら必死の形相で飛び込んで来て助けられる。刑事さんの走り方ってテレビドラマと同じだった。刑事さんが手の傷をみて「救急車!救急車!」とりあえず刑事さんは連呼するものだな~と思いつつ、楽器や衣装が心配だったので救急車を断って室内に戻り、室内を軽く確認。

Mamoru結局警察の車で病院に連れて行かれる。警察に連れて行かれたので病院の人は事情を知っているかと思ってたら、普通の患者と同じ扱いなので、受付で何故、保健書を持たずに病院に来たかの説明。お医者さんにも全く同じ説明をして傷の治療してもらう。もの凄く煙草が吸いたいし、ゲロ吐きそうに気持ちが悪い、体が変だと感じる。で、清算をしなきゃいけないのだが、金は盗まれているし、財布にはあまり入っていなかったので、ツケって事になるのだが、何故ツケにするかの説明をまたする。

自宅に戻るともうテレビドラマと同じで黄色いテープでマンションが囲まれて警察車両がビッシリ。現場検証でまた同じ説明。六角さんとはイメージの違うスポーツマンタイプでピッシとした人達が指紋とか証拠品を検証している。

で、何よりドラマとは違うのは指紋を採取する粉を大量に使い、窓や冷蔵庫が真っ黒になっている事だ。掃除部隊も外で待機して「自然の物で作った洗剤で掃除しますので心配なさらないで」と気を使ってくれるのだが、その為だけに待ってもらうのが悪いので「自分で納得するまで掃除したいから」と言って帰ってもらう。疲れたし、痛いし、気持ち悪いし、動揺してるのだが、警察に連れて行かれて事情聴取。また同じ話を3~4回して帰宅したのが次の日の朝。

私の頭の中は、テレビと映画に支配されていて、どんな状況でも志村けんやドリフターズは笑え、笑う事で冷静を保てると痛感しながら長過ぎる一日が終わる。さすがに次の日は仕事を休んだ。


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勝新太郎と田宮二郎なら「悪名」なんだが・・・

背後に迫った強盗が持っている包丁は私の包丁で、先が欠けていて切れ味が悪い「早く買い替えなければ」と思っていた物。仕事帰りだったので腰痛防止サポーターをしている。映画「悪名」か「兵隊やくざ」で勝新太郎が腹巻きの上から刺されたが、その日に酒を飲んでいるシーンが浮かんだ。

Katusin警察の道場で首を防御する動きがあった事を思い出し、腹より首を守ろうと右手で首をかばい体を反転させると腹の横を包丁がかすめる。とっさに右手で強盗の手首を掴むが、後ろに引かれて親指をザックリやられるが「これ以上引かれたら、神経がやられてギターが弾けなくなるな~」とか考え、渾身の力で握る。左手で何とか扉の鍵を開けて外に出て、警察の道場で見た動きを思い出しながら実践してみると、なんと出来た。

強盗の腕を脇にはさんで、しりもちをついたような感じから、両手で強盗の腕を前に引き出すようにしながら、仰向けに倒れるようにすると、強盗が腕をのばした状態でうつぶせに倒れた。足で包丁を蹴飛ばすと強盗の手から離れた。一見勇ましい感じがするが、この間、怖くて「変なおじさん」ような声を出し続けている。

凶器が無くなたったのだが、強盗も必死に逃げようとするから、取り押さえるのに滅茶滅茶手間取り、通行人に110番通報を頼むが怖がって逃げられる。私は「世界の中心で愛を叫ぶ」の感じで「110番してください!」と叫んでいるのだが、なかなか誰も助けてはくれない。近くに居た清掃業者のお兄ちゃんがデッキブラシを持って走って来てくれて「観念しな!」と言いながら強盗にまたがった。「助かった!」と思いつつも、まだ観念せずに暴れている。警察官が来るまでもの凄い時間が過ぎたような気がした。

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