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ラ・ママ編 (3)

見舞金を持って社長に会う。マティは気を利かせて席を外し二人だけで話すが、15分位話をした所で来客があり中断。
店内に戻り、業者さんと雑談しながら、この人達が何の業者でどんな工事をどんな段取りで進めるのかを探る。話して行くうちに全くのノープランである事、大工でも、電気屋でも、配管屋でもない事が判明。頭は空調屋。年末は30日まで年明けは4日からしか仕事に来ない・・・・・・

照明チームと雑談。火事のあと直ぐに清掃し、機材のチェックと組み直して新しい調光卓のテスト前に東京電力にケーブルを切られてそのままになっているとの事で、次に照明屋さんが来るのが1月3日との事。

PAチームと雑談。とにかく直ぐに復旧との事で準備はしたが、小さい音でというのは出演バンドさんに悪い、もとから音漏れで近所に迷惑かけ続けて来たのにドアも付かない、天井も穴が開いた状態で音を出す訳には行かない。この煤の匂いの中にお客さんを入れる事自体がまずい。復旧の予定が二転三転し今の状態があり、この先の予定もハッキリしていない。
しかも、代機ミキサーは1月20日には返却しなければならなく、その後導入されるミキサーはアナログではなく、デジタルで、年末のこの時期で見積もりすら取れていない。
「んっ!なんでデジタルにするの?」とアナログな人間の私は疑問に思うのだが、現在ではこの規模のミキサーは殆どがデジタルでアナログは超高級品しか存在しないとの事。
「超低音の出ない古いJBLのスピーカーにデジタルか〜どんな音が出せるのだろう?」ちょっとドキドキしてきたが、今はそれどころではない。

スタッフとキッチン内の話を聞く。
開封されは物は全て処分して、後は開店に合わせて酒屋さんが動いてくれるとの事。冷蔵庫、製氷機、ソフトクリームマシーン?等は煤食らっているので駄目らしい。ビールサーバーは生きているとの事。
駄目な物が何故残っているかは、保険屋さんの問題と社長がレンタルだったのか買ったものなのかを覚えていないとの事。

マティと話合いをしようとするが、ひっきりなしに電話がかかってくる。31日に向けての準備対応、復旧後のブッキング等対応で手一杯だ。っていうか、この時期に代わりの会場見つけて、バンド説得して、助っ人集めて、滅茶苦茶働いて来た訳だ。そして、ラ・ママが健在で素晴らしい力を持っている事を31日別の場所で証明する為に頑張っている。今、私があ〜だこ〜だと口出しするのはかえって迷惑になる。


概略は理解した。私は何をしたら良いのかを扉に話を聞きに行く。
ラ・ママのステージに上がる時は、必ずこの扉の前で「ホール内の全ての人を熱狂させれます様に」と祈りを捧げ、立て付けの悪い扉を力を込めて開けるとアドレナリンが吹き出してくる。沢山のバンドが、この前で声を上げステージに向かう姿を見て来た。
火事の時、社長はこの扉を開けて消火しようとしたが、開けられなかったらしい。もしも、その時この扉が開いていたら店内に火が入り被害はもっと大きかっただろうし、社長もどうなったかわからない。
この扉には何らかの結界があるのだろう。そして、この扉は社長とラ・ママを守る事を最後の仕事として鉄くずになった。
「どうしたらよい?何がして欲しい?」と扉に聞いてみたが返事はない。どうやら私にはスピリチィアルな力が無いようだが、衣装もメークも無し、バンドマンでもミュージシャンでもない作業着を着た私にいつもの様に「気合いを入れて開けろ」と言っている様に思えた。

つづく

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