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ラ・ママ編 (10)

Katumi1かつみちゃんが獣の匂いをさせて半笑いでやって来る。魔太郎は体調を崩しているにも関わらずやって来た。
魔太郎の仕事っぷりはもう判っている。半端な仕事はさせたくなかったし、お客さんに見える場所でもないが、匂いの原因の4割を占めるであろう天井内の煤を取ってもらう為に無理してもらった。工程上の事まで理解して魔太郎は来てくれ、獣を手元に使ってガシガシ作業を進める。

武田は車の手配に手間取り、ちょっと遅れて到着。早速作業を始めるが予想以上に天井はダメージを受けている。
改造、改装を繰り返して来た天井は複雑に絡み合い、何処に力がかかっているのか判らない。
コンクリートに打ち込まれた釘は、砂袋の重さなのか無理な改造のせいなのか、抜けかけていたり腐食したりしている。叩くべきか?力を他に逃がすかを考えながらの作業で順調には進まない。
それでも武田はアンカーを打ち全ねじを吊るしガシガシ木を切って天井らしい形を作り始める。

私は電源経路をたぐる事にした。社長の考えは、「今までの配線は判らないから、全部露出でひき直す」だった。そんな馬鹿な!と思うのだが社長はたこ足配線大好き派。
私の想像では、火事ないしクーラーの撤去で下手側の客電は切断され、生きている上手側客電、トイレ、厨房、入り口、コンセント系統、PA系統を誰かが滅茶苦茶に切断した。つまり火事の被害よりその後の処理によるダメージが殆ど。その後応急用にひき直しした部分はちゃんと経路が書き込まれていて、理にかなっている。つまり判らずにぶっ壊した人間と直しを試みた人間がいる事になる。

元々ラ・ママの音響の欠点は電源だと思っていた。方針として、PA系統はブレーカーを新しくし3〜5系統を2ミリ3芯露出でひき直し、ステージ楽器電源も同じ方法で2〜3系統。安定した形で電源を供給し、システム変更に対応しやすくし、社長の「たこ足攻撃」からPAを守る。客電、コンセント回路も使用目的に合わせて振り分けて、可能な限り露出を避けて、死に線を排除していきたい。

取りあえず配電盤の上の天井を覗きこむが、防音用の砂袋やグラスウールが邪魔で先が見えない。点検口がないのでコンセントをばらしてケーブルを引いたりするが全く無駄。ブルース・ウィリスならダクトから突入して解決するのだろうが映画の様にはいかない。とにかく見たい!天井内が見たい!こんなに強く何かを見たと思ったのは中学生の頃女性の・・・(自粛)
壊しても支障が無さそうな場所を探しPA卓の上の天井を壊す。関係無いが音が変わる。思った通り天井が低すぎて卓の前で音が詰まっていたのだ、ここも改善せねば・・・・
壊した部分から体を突っ込むと見えた!ダメージゼロでケーブルがはっている。上手客電、トイレ、入り口系統、スイッチ回路・・・・これをショートさせて配電盤の上で滅茶滅茶に切られているケーブルをテスターでチェックして行けば判るはず。っが量が多すぎ、死に線多すぎ、ラ・ママのテスターボロすぎ!独り言を言いながら、おぼろげに「ロンダルギアの洞窟」の全容を把握。

私がラ・ママに来てから、この復旧に関わった人間で会っていないのはあと1人。照明チームとの話、社長との会話に出て来る「ハタボウさん」だけだ。私がティラノザウルを辞めて1年後位にラ・ママのスタッフになって2〜3年で独立した照明オペレーターで私との接点はゼロ、電気関係は「ハタボウさん」さんが担当するとの事。
どんな人なんだろう?私の方針を理解してくれるのだろうか?明日が復旧への山場になると思いつつこの日の仕事を引き上げる。今日も深夜だった。

つづく

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